同じ趣味を持ち馬の祭りで共に構える

カメラのレンズ越しに覗いた光景は、想像以上だった。動物園では味わえない迫力、スタジオでも撮れない「生きた瞬間」。

写真好きな父、そして同じ趣味を持ち始めた息子にとり、新潟県の馬の祭りは絶好の被写体だと確信。早朝、軽い登山を経て小さな高台に着いた。

そこから見下ろす会場は、すでにざわめきに包まれた様子。息子が持つやつは、祖父から引き継がれた古いフィルム型。私はデジタル一眼を構え、構図を探し始める。

新潟県の馬の祭りの醍醐味は、やっぱ伝統かな。色鮮やかな装束をまとい、勇壮な掛け声とともに坂道を駆け上がる姿は、まるで時代を超え飛び出してきたように感じる。

その瞬間、シャッターを切る音が一斉に響く。息子が真剣顔になってた。私よりも先に「今だ」と声を上げた瞬間が印象的。

新潟県の馬の祭りも中盤に差し掛かり、ちょうど逆光になる時間帯、特に美しいシーンがある。そこに狙いを定め、親子で無言のまま並んで構えた。

普段は会話が無いと落ち着かないけど、静けさが心地良いね。